八尾市立病院

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整形外科

脊椎疾患

脊椎外科

超高齢化社会の到来に伴い、脊椎脊髄疾患による症状で苦しんでおられる方は年々増えており、脊椎外科の社会における役割はますます大きくなってきています。高血圧・糖尿病などの生活習慣病に代表される内科疾患を患っておられる方も多く、周術期に専門的な管理が必要となることも少なくありません。当院では内科をはじめとする他科との連携を密にとることで、心疾患や糖尿病などの既往がある方でも、安心して手術を受けていただける環境が整っております。
地域の皆様により良い専門治療を提供できるよう、努力していく所存ですので今後とも当院、脊椎外科をよろしくお願いします。

手術実績 / 対象疾患

当施設は日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科専門医施設であり標準的な脊椎手術を実施可能な環境が整っています。対象疾患は腰椎・頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症、後縦靱帯骨化症、黄色靭帯骨化症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、リウマチ性脊椎炎、脊椎・脊髄腫瘍など多岐にわたり、特発性脊柱側弯症を除くほぼすべての脊椎・脊髄外科疾患を守備範囲としています。

2020年 八尾市立病院 脊椎外科手術実績
総数 132件
頚椎疾患 44件 (椎弓形成術32例 後方固定術9例 前方固定術3例)
胸椎疾患 10件 (椎弓切除術4例 後方固定術6例)
腰椎疾患 74件 (腰椎椎体間固定術47例 開窓術13例 髄核摘出術13例 椎体形成術1例)
その他(椎間板内酵素注入療法、脊髄腫瘍など) 4件

過去の手術実績
2016 2017 2018 2019 2020
頚椎手術 21 26 35 40 44
胸椎手術 2 2 10 14 10
腰椎手術 53 64 77 85 74
その他 1 2 9 11 4
合計 77 94 131 150 132

治療方針

かかりつけ医で内服薬やリハビリテーションなどの十分な治療を行っても症状が軽快せず、日常生活に困難を感じておられる方に手術治療を行っています。

頚椎症性脊髄症に対しては主として首の後ろから脊髄の通り道を拡大する椎弓形成術を行っております。術前の症状に応じて、術後リハビリテーションを追加しており早期より離床を行うことで周術期合併症出現の低減に取り組んでいます。

頚椎椎弓形成術


腰部脊柱管狭窄症に対しては除圧術(開窓術、椎弓切除術)を、すべり症に対しては金属製材料を用いた固定術を行っています。骨粗鬆症性椎体骨折に由来する疼痛や麻痺に対しても、椎体形成術を併用した固定術を行い良好な成績を得ています。

後方経路腰椎椎体間固定術 (PLIF)

胸腰椎後方固定術+椎体形成術


その他、保存療法で十分な痛みのコントロールが得られない腰椎椎間板ヘルニアに対しては、髄核摘出術(Love法)を施行しています。より安全な手術を行うため、手術用顕微鏡下での処置を心がけています。適応のある症例には椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア®注入)も実施しています。

各脊椎手術について  ※上記術前術後に対する補足説明

脊椎手術では神経のそばで処置を行うため、重篤な神経合併症の発生が懸念されます。これを防ぐためには熟練した専門医師による安全確実な手技が前提となりますが、術中・術後の全身管理もまた非常に重要です。当院脊椎外科では十分な経験の蓄積があり、特殊な疾病でない限り手術翌日あるいは翌々日に離床可能です。入院期間は1~2週間が目安です。
脊椎手術後の回復については術前の症状の重さや、罹病期間によって異なるため、術後の改善が限定的となる可能性があります。手術の詳細については主治医にお尋ねください。