診療科・部門ご案内

今後、力を入れたい外科診療

八尾市立病院での診療の基本方針の一つとして、「癌に対する高度診断、集学的診療機能強化による地域癌センター化」が掲げられております。
癌診療の中心を担う外科としましては、この「癌の診療」に尚一層の力を注ぐことが重要と考えております。

また、これまで以上に、近隣の先生方との連携を深め、病診連携・病病連携の更なる推進に努めて参りたいと考えております。
我々外科医とかかりつけの先生とが、連携を密にして、個々の患者さんの診療に当たることができればと考えておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

  1. 「がん」を診療の中心に
  2. 終末期医療・緩和医療の充実(最後まで診る態勢の強化)
  3. 電子カルテによるさらに安全で効率的な診療態勢の確立
  4. 病診連携、病病連携のさらなる推進(紹介・逆紹介)
  5. 臨床研究の推進—新薬治験、臨床共同研究への参加
  6. 学会発表、研究会や公開講座の開催などを通じた情報発信

消化器外科 食道がん、胃がんなど
大腸がん、直腸がん、肛門疾患など
呼吸器外科 肺がん
肝・胆・膵外科 肝がん、胆石、胆嚢がん、膵がんなど

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1.消化器外科

上部消化器外科(食道・胃)

担当:田村

食道がん・胃がんに対しては、現時点で最も治療効果が高く妥当と考えられる標準的な治療法を推奨する治療ガイドライン(食道癌診断・治療ガイドライン、胃がん治療ガイドライン)が発刊されています。当院ではこれらのガイドラインにそった治療法を基本として、その上で患者さんの年齢や全身状態、基礎疾患やご本人の希望などを加味して、皆さんと相談しながら治療法を選択しています。

食道がん治療は、進行度に応じて内視鏡的治療から外科手術、化学放射線治療などがあり、推奨される治療法を提示し患者さんとの十分なインフォームドコンセントの上で治療を選択しています。手術療法では、積極的に胸腔鏡や腹腔鏡を用いた低侵襲手術を導入しており、術後合併症の軽減と早期の退院および社会復帰を目指しています。また、術前合併症のある症例や高齢者では積極的に二期分割手術を行っており、より安全な治療を心がけています。

胃がん治療では、腹腔鏡下手術による低侵襲手術を積極的に実施しています。高度進行癌では、術前化学療法や術後化学療法を組み合わせ、手術を含めた集学的治療で成績向上を目指しています。

また、新しい有望な治療法(治験や臨床試験)の対象となる患者さんには、治療内容を十分説明して、その治療法への参加・不参加が十分なご理解の上で決定できるように心がけています。

下記のページには、食道がん、胃がんについても追う少し詳しく説明していますので、当院で治療を受けられる方々の少しでも参考になれば幸いです。

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下部消化器外科(小腸、大腸、肛門)

スタッフ:吉岡慎一、廣瀬創、杢谷友香子

当科での大腸がん治療について

近年、大腸がんは増加しており、当院での手術件数も年間約150件と増加傾向です。

当院では患者さん一人一人の状態にあわせて、治療方針はガイドラインを参考に疾患カンファレンスを行い、決定しています。また、体にかかる負担を少なくし質の高い手術を目指して、予定手術だけでなく、臨時・緊急手術においても積極的に腹腔鏡手術を行い、約98の患者様に腹腔鏡手術を施行しております。

    • 当院における大腸がん切除手術件数
  • 腹腔鏡手術は難易度の高い手術ですが、質の高い手術を提供できるように心がけております。当院では3名の内視鏡外科技術認定医が下部消化管手術を手掛けております。また、3D腹腔鏡、3次元モニターなどさらなる先端医療を導入し、より精緻な手術が可能となっております。

    また、肛門に近い直腸がんにも出来る限り肛門を温存できるよう、「究極の肛門温存手術」と言われる括約筋間直腸切除術(ISR)も積極的に導入しております。進行度に応じて、術前化学(放射線)療法など集学的治療を用いて、出来る限り肛門を温存できるようにしています。

    お一人お一人の患者さんにあった、安全で質の高い医療を提供することを第一に、地域の皆様の力になれるよう、全力を尽くしていきたいと考えております。

    リンク
    もっと知ってほしい大腸癌のこと
    http://www.cancernet.jp/daicyougan

    患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版
    http://www.jsccr.jp/forcitizen/index_comment.html

    腹腔鏡下大腸切除研究会
    http://www.jslcs.jp/public-about/

    当科での肛門に関する疾患治療について

    肛門部は、複雑な排便機能を調節するため非常に繊細で過敏な構造を持っています。

    肛門部に起こる疾患として、もっとも多いのは痔です。肛門部周辺の静脈が圧迫され血液の流れが滞ることなどによって発生する痔核(いぼ痔)、肛門の周辺に穴ができて、そこから膿が出る痔瘻(穴痔)、肛門部が切れることによって生じる裂肛(切れ痔)などがあります。

    良性疾患であり、命に係わる疾患とは言えませんが、出血・疼痛・違和感などQOLは障害されることが多く、日常生活を送る上で問題になることがあります。

    治療については、軟膏や座薬を使用しながら経過観察で可能なものから、手術を行うことが望ましいものまで様々です。

    当院では術後の排便機能を損なわないことはもちろんのこと、出来るだけ違和感の少ない手術を心がけています。

    内痔核に対しては、当院では手術による治療に加え、切らずに治す治療(ALTA法、4段階注射法)も行っております。この治療は手術療法にくらべ、非常に良好なQOLを確保することができ、かつ再発率は程度によっては手術治療と遜色ありません。

    また、直腸脱に対しては症状に応じて適切な手術を行う必要があります。軽度なものであれば比較的低侵襲な手術で治療可能ですが、高度な直腸脱は侵襲的な治療を行わざるを得ないこともあります。そのような場合には当院では腹腔鏡を用いた直腸脱の修復術を行っております。

    肛門疾患でお困りの方は、是非当院の大腸・肛門病疾患担当医にご相談ください。

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    ヘルニアセンター

    スタッフ:吉岡慎一、橋本安司

    ヘルニアセンターについて

    鼠径ヘルニアとは、鼠径部を支える筋肉を含めた組織の脆弱性により、腹膜を含めた腹腔内臓器が飛び出してくる病態です。治療には手術しか方法はありません。放っておくと、嵌頓を起こすことがあります。また、ヘルニア自体はどんどん大きくなります。

    手術はメッシュを用いた筋層(腹壁)補強が一般的です。

    当院では、第一選択術式として腹腔鏡を用いた鼠径ヘルニア手術を行っております。

    • 当院における大腸がん切除手術件数
  • 腹腔鏡手術のメリットとして、傷が小さい(約5mm程度の穴が3つです)、鼠径ヘルニアの状態の確認が容易である(見落としが少ない)、体への負担が少ないなどがあります。

    しかしながら、腹腔鏡手術は難易度の高い手術です。当院では全国でも数少ない鼠径ヘルニア手術に対する内視鏡外科技術認定医が手術を手掛けており、質の高い手術を提供できるように心がけております。

    特に、昔鼠径ヘルニアの治療をした後にまた出てきた(再発と言います)場合は、要注意です。

    通常の鼠径ヘルニアの手術に比べ、難易度が極端に上がるため、専門の施設で行うことをお勧めします。当院の担当医はそのような症例に対しても経験豊富であり、再発した場合には是非専門医にご相談ください。

    当科での腹壁瘢痕ヘルニア治療について

    腹壁瘢痕ヘルニアとは、開腹手術を行った後に、切開部の筋肉の支えが弱くなってしまったため、腹腔内臓器を抑えることをできずに飛び出てきてしまう状態です。

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    2.呼吸器外科

    担当: 兒玉、木村

    週間予定表

    午前 手術
    外来 木村
    (セカンドオピニオン)
    外来 兒玉
    (手術)
    午後 (手術) 手術 気管支鏡検査 外来 兒玉
    禁煙外来 木村
    カンファレンス
    緊急初診や紹介受診に関しては曜日を問わず可能な限り対応しています。
    外来化学療法は主として火曜と木曜。( ):不定期。

    治療への取り組み

    悪性腫瘍(肺がん、転移性肺がん、悪性胸膜中皮腫、胸腺がん、胸壁肉腫など)
    がんや肉腫の治療は進歩しています。手術、放射線治療、化学療法(抗がん剤)、分子標的薬、免疫療法を組み合わせ、個々の患者さんに最適な治療法を行います。また、がんが転移していて手術ができない患者さんでも、薬物治療で縮小効果が得られた場合、残存するがんを手術で取り除き、薬剤耐性遺伝子などを調べ、有効な薬剤を選別します。その結果、肺がん手術症例の5年生存率は70%を超えています。75歳以上の後期高齢者手術症例の5年生存率も良好です。
    しかし、肺がんは転移しやすく、30%の患者さんはどんなに治療してもがんで亡くなられます。だから禁煙や早期発見が大事で、禁煙外来にも取り組んでいます。また、治療困難な進行がんに対しては緩和ケアによる患者さんの生活の質の保持に努め、かかり付けの先生との連携を重視しながら治療に取り組んでいます。

      画像をクリックすると拡大表示されます。
      • 肺がん手術症例
      • 肺がん手術症例
        • 手術症例数年次推移
        • 手術症例数年次推移


    良性疾患 (気胸、膿胸、肺膿瘍、良性肺・縦隔腫瘍、胸部外傷・血胸など)

    当科で取り扱う疾患の約半数は良性疾患です。気胸は若年者と高齢者の両方にピークがあります。20歳以下の若年者気胸にはできるだけCT撮影を控え、放射線の被ばくを抑えるようにしています。女性特有の右気胸、すなわち月経随伴性気胸に対しては、婦人科と協力して、手術治療あるいはホルモン療法を行います。

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    3.乳腺外科

    地域医療の中核を担う基幹病院(地域がん診療連携拠点病院(国指定))として、専門医3名で乳房に関する病気を診断し、治療を行っております。代表的疾患である乳がんの患者さんは年々増加傾向にあります。当院では乳がん検診、診断、治療を行っております。乳がんに対する治療には手術療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、分子標的薬療法がありますが、個々の患者さんの状態・病期に応じてこれらを上手く組み合わせて治療を行っています。乳がんの治療は複雑で、女性特有の悩みも出てくることがありますが、そのような場合には、乳がん認定看護師が相談に応じております。手術においては乳房再建術を形成外科医師とチームを組んで積極的に行っております。

    2013年
    2014年
    2015年
    2016年
    2017年
    2018年
    2019年
    2020年
    乳がん手術
    154
    151
    137
    162
    179
    171
    218
    194
    同時乳房再建術
    18
    24
    18
    28
    24
    30
    40
    41
    乳腺良性腫瘍手術
    27
    13
    26
    20
    25
    35
    48
    38
    ステレオガイド下
    マンモトーム生検
    15
    21
    40
    55
    61
    56
    54
    68
    乳がん検診
    1,214
    1,248
    1,411
    1,703
    1,674
    1,602
    1147
    1169

    診療について

    乳がんの早期発見には自己検診は非常に大切です。自己検診にて乳房に硬いしこりをふれた方、その他症状のある方や乳がん検診にて異常を指摘された方は、乳腺外科を受診してください。当院では平日の午前診察(11時30分まで)で受付を行っております。かかりつけ医のある方は、その医師より当院地域連携室経由で予約を取っていただければスムーズに受診していただけます(個人での予約はできません)。また、乳がん検診にて異常を指摘された方も下記へ連絡していただき予約を取っていただきたいと思います。検診等で乳腺エコーやマンモグラフィを受けられた方はフィルムなどの画像を地域医療連携室に持参してください。

    地域連携室:TEL 072-922-0887

    乳がん検診にて異常を指摘された方:TEL 072-922-0881

    午前
    森本 / 西向
    森本 / 高本
    代診医
    森本 / 高本
    西向 / 代診医
    午後
    西向
    森本 / 高本
    森本 / 高本

    ★学会等で休診することがございます。予約のない当日受診される方は電話にてお問い合わせ下さい。

    ★木曜日の午後はステレオガイド下マンモトーム生検を行っており、水曜日全日と金曜日の午後が手術日になっています。

    問診票

    当院を受診される際にご記入いただく書類です。
    事前に出力して必要事項を書き込み、初診時にお持ちいただくと、受付から診療がスムーズに行えます。
    乳腺外科問診票

    当院の乳がん検診について

    自覚症状のない40歳以上の女性の方は2年に1度の乳がん検診が推奨されております。当院においても完全予約制で、八尾市乳がん検診(視触診+マンモグラフィ)を行っております(詳しくはこちらをご覧ください)。また、自費での乳がん検診(視触診+マンモグラフィ+乳腺エコー)も行っております。ご希望の方は下記へ連絡していただき予約を取ってください。

    予約センター TEL 072-922-0881

    セカンドオピニオンについて

    当院にて診断を受けた方で、他院でのセカンドオピニオンを希望される方は、当院で行いました検査結果すべてを含め診療情報提供書を作成いたします。どうぞ遠慮なく申してください。治療は十分に納得されたうえで受けるべきだと思っております。また、他院にて乳がんと診断された方で、当院でのセカンドオピニオンを希望される場合には、地域連携室を通して当院セカンドオピニオン外来を予約してください。

    地域連携室 TEL 072-922-0887

    ステレオガイド下マンモトーム生検について

    乳房にあるしこりなどマンモグラフィや超音波検査などで異常が見つかった場合、その病変の良悪性を診断するのに病変から組織をとり、病理学的検査(顕微鏡検査)を行うことを生検といいます。当科では超音波検査にて観察が可能な病変に対しては超音波画像を見ながら検査を行います。超音波検査では見えなく、マンモグラフィのみでしかわからない微細な石灰化像に対してはレントゲンを用いたステレオガイド下マンモトーム生検を行っております(毎週木曜日午後)。

    乳がん看護認定看護師より

    吉野 知子
    経歴
    大阪府内の看護学校卒業
    平成16年より八尾市立病院で勤務
    平成22年千葉大学大学院看護研究科付属看護実践指導センター 認定看護師教育課程修了
    平成23年乳がん看護認定看護師取得

    乳がん看護認定看護師は全国で282名、大阪府下では17名います(2016年5月時点)。
    乳がんの治療は、手術だけでなく抗がん剤やホルモン剤などの薬物療法、放射線療法と高度化・多様化しています。治療期間も長く、治療にともなう副作用、ボディーイメージの変容、リンパ浮腫など患者さんは多くの不安を抱えられています。私は、患者さんの不安な気持ちを少しでも和らげ、納得して治療が出来るように支援をしています。その人らしい生活が送れるように一緒に考え、困ったことがあれば気軽に声をかけていただける存在でありたいと思っています。入院中や外来診察の際に相談に応じております。

    当院で使用しているマンモグラフィ

    当院は大阪府下でも数少ない、乳房の画像診断に画期的な診断能力の向上をもたらす、デジタルブレストトモシンセシス(乳房トモシンセシス)技術を搭載した乳房X線撮影装置(Selenia Dmensions)を使用しています。
    従来のX線マンモグラフィは、2D画像のモダリティであり、病変の上下からのX線信号の散乱のため、病変を視覚化するのが往々にして困難なことがありましたが、この乳房トモシンセシスでは組織の重なりを効率的に減少、または排除することが出来る3D撮影法であります。

    乳がん術後地域連携パスについて

    乳がんの術後フォローは最低10年間必要で、場合によってはそれ以上になることも稀ではありません。そのため、乳腺外科外来の患者さんは増加する一方で、外来待ち時間が長くなる傾向にあります。場合によっては新規の患者さんを診察することができないような事態にもなりかねません。
    当院ではそのような事態に備え、紹介していただいた地域先生方などと連携を行っております。術後、病状が落ち着いている患者さんを対象に、術後乳がん地域連携パスを用いた双方向型の診療連携を行っております。